ドイツ車の故障率(国産車との比較)

ドイツ車を含めて、いわゆる「外車」の故障率が下がってきているのは事実です。
かつては、アメリカ車、イタリア車ほどではありませんが、ドイツ車もそこそこ壊れました。
現在はどうか?となると、実は目覚ましい改善がされたとは言い難い、現状があります。
この件で最近、同業者と話す機会がありました。彼は「設計思想が違う」と言ってましたが、
私も納得できる要素です。
車に限らず、ドイツ人は「クラフトマンシップ」が強く、マイスター制度に代表されるように物作りに対する拘りは半端ではありません。機械ものは、壊れて当然という考えも強いのではないでしょうか?
壊れるのを前提に、定期的なメンテナンスは当たり前であり、それを行わない場合は壊れたままであるという哲学的な思想があるように感じます。

それに対して国産車は、もはや神の領域に入っていると言っても過言ではありません。
乗車中に走れなくなるようなトラブルは皆無であり、電気系のトラブルも、ほぼ無縁です。
ただ実際に「修理」となると、修理することを前提とした車作りを、もはや行っていない気がします。
修理ではなく、殆どがアッセンブリー交換であり、それは「パーツの入替」です。この流れは究極まで行くと「買い換え」となります。ドイツ車もその要素が増えてきていますが、国産車ほどではなく、まだまだ修理対応できる箇所は残っていると思います。

ドイツ車については、ドイツ本国ではありえないようなトラブルが日本だと発生することを聞きます。寒暖の差が激しく、湿度が高い日本の気候も影響があるのでしょうか?
W124で多発したハーネス系のトラブルや、最近のW211で起きた燃料キャップ内側が破損してインジェクションの目詰まりを起こすトラブルなど。昨年末、E38に乗っていて普通に信号待ちでエンジンストップして再起動せず、周囲にご迷惑をおかけしました。良く考えると吹き上がりが悪いと感じていたこともあり、「予防整備」を怠ったために起きたトラブルでした。(JAF牽引後、燃料ポンプ取り替えで対処しました)
当社が、購入されるお客様に、「定期的な工場への入庫及び(何も無くても)一通り点検整備を継続的に行って頂きたい」とお願いしているのはこういった理由があるからです。
ろくにメンテナンスをしていなく、ひどい状態になってしまった個体を見る度に、そう思います。

アジア系タイヤ

最近、当社が仕入れようとした車に、東南アジア系のタイヤを装着した車が増えました。
メルセデスやBMWに乗っていながら、そういった廉価なタイヤを購入する方が増えたのがとても意外ですが、実際は日本国内メーカーも海外OEM先としてそういったメーカーに外注することがあるようで、一概に「安くて性能が低いタイヤ」という事もなく、通常の使用では大きな問題は無さそうです。見た目にはトレッドパターンやサイドウォールデザインも国内製タイヤと比較しても遜色なく、そこそこの格好良さを感じるように変貌しています。

20年ほど前は、ヤナセが販売していたメルセデスは殆どがコンチネンタルか、ミシュランしか履いていませんでした。現在はブリジストンを始め国内メーカーが欧州車向けタイヤのラインナップを充実させたこともあり、顧客からの下取りやオークション会場でもブリジストン、ヨコハマなどのタイヤを良く見ます。

しかし、中にはナンカン(NANKANG)=台北(台湾)、クムホ(KUMHO)ネクセン(NEXEN)=韓国、エーティーアール(ATR Sport)=インドネシア、など、ネット通販や量販店などでの取扱が増えて気軽に購入出来る素地も出来たようで、着実に装着率が増加してます。
ドイツ車らしさという観点からは、やはりコンチネンタルかミシュラン、ピレリーあたりを装着している車が伝統的なスタイルだと感じます。

しかし、ニューウェーブとしてのアジア系タイヤも結構「アリ」な気が致します。少なくともすり減って、ドイツ車に多い編摩耗を放置している個体より、きちんとメンテナンスしていて新品のアジア系タイヤを装着した個体が好ましいと感じます。

当社スタッフもナンカンを装着したW210にしばらく乗っていたメンバーが居ましたが、本人曰く「何ら問題がない」とのことでした。シビアな方はやはりヨーロッパ製か、日本製タイヤを購入されるのが、安心感を含めて妥当なのかもしれませんが。

評価点4点の難しさ

当社も仕入はオートオークション(通称AA)で仕入れる事が多い。

フェルトヘルンハレを立ち上げる前は、ネットを含む様々な情報からAA会場で検査官が評価書を作成するので「安心」と書いてあることが多く、評価点4点はかなり良い点だと思っていた。
しかし、先輩諸氏は口をそろえて「一番難しい点数」と言う。それには下記の理由がある。

    ・AA会場によって、評価点の基準が違う
    ・検査官によって、更にぶれる

AA評価点については、ネットでも検索するとあちこち出てくるので興味がある方は参照されたいが、私見を書いてみると、

6点 ほぼ新車、走行1万km未満。かなり高い金額が付き、流れることが多い。滅多に出ない
5点 かなり新車に近い。「新古車」と言える。内装外装期間とも良好。一般的には5点が「満点」
4.5点 5点には届かないが、美麗・優秀な部類に入る個体で、加修がほとんど不要
4点 傷・汚れが内装外装にあり、ヤレを感じる箇所が散見されるなど。一番振れ幅(ぶれ)が大きい点数。
3.5点以下 何らかの加修が必要な、一般的な「中古車」。初年度登録から10年以上経過した車も該当。
0、Rなど 修復歴ある車両。但し修復の程度によっては4点以上の魅力がある車も散見される
・ (点数無し) 事故を起こしたまま出品されたもので現状販売。修理の仕方によっては状態が良くなる

結局、なるべくなら評価点4.5点以上の車を仕入れるのが、後々安心ということにつながる。実際はタマ数が少なく、仕入れるのもそれなりに困難なのだが・・・。

ドイツ車にレギュラーガソリンを入れると・・・

何度か、ドイツ車にレギュラーガソリンを入れてみたことがある。
1990年頃のW124あたりだと、てきめんにノッキングが頻発しエンジンに負担をかけていることがありあり。
2000年以降のモデルでは、各メーカー問わず電子制御が一般的になり、点火時期をコンピュータが調整するのか、さほど問題は無い、ように見える。
しかし、点火時期を遅らせる=燃費が悪化(エンジンによってはガソリン噴射量を増大させてノッキング時のピストン加熱を防止する)ということもあるし、そもそもメーカー設計時のパフォーマンスを発揮していないので、車に良いことが無いと思う。
毎度、経験則の話しかしないが、3500CCのV6エンジンを搭載したW211あたりだと、レギュラーガソリン給油後リッター5KMを割ることが多かった。ハイオクだと、リッターあたり7KMは走る。
日本で販売しているレギュラーガソリンのオクタン価は90~91。ハイオクは98~100。対して、ドイツ本国ではオクタン価が95が通常。という話を聞くと、「レギュラーとハイオクを50:50くらいで給油すると問題ない??」という事が議論された。私も、残量警告灯が点灯してから給油する時に、セルフスタンドで「ハイオク30リットル、その後レギュラーで満タン」という事を繰り返した事があった。給油後、確かに問題がないのだが、非常にめんどくさい。
レギュラーとハイオクの価格差が10円としたら、一度の給油で節約できる金額は300円ほど。頻繁に給油すれば節約効果が高くなるが、それに比例してめんどくささが倍増される。結局、作業が面倒なため、断念してしまった次第である。
「それくらいの作業で節約できるならOK」と思う方は是非チャレンジを。

ハイオクガソリンが高いから・・・

今回LISTにある2台を含め、現在当社には5台ほどドイツ車があります。
お問い合わせで良く頂く質問「燃費はどのくらいですか?」と良く聞かれます。
正直、一番難しい質問です。
ご存じの通り、車の燃費は走行状態によって差異があります。
走行パターン(一般道/高速道)(渋滞あり/なし)(乗車人数、荷物の有無)(運転の激しさ/丁寧さ)(エアコンのON/OFF)によって、全然違います。
質問される方は、購入後の維持費をお考えだと思いますが、その方がどのような運転をされるのか、どのような場所、時間を走られるのかによって差異が激しく、お答えしにくいのです。
当社リストの車は、仕入後は基本満タンの状態で維持し、お客様にお渡しする時も満タン納車なので「満タン法」によって燃費測定が可能です。
なるべく、その燃費をWEB上で公開することにしますが、あくまでも参考値です。購入後にその燃費数値より上回れば良いのですが、下回った場合「聞いていた話と違って燃費が悪い」というお叱りを受ける事にもなりかねません。
この件で、良くお客様に説明する事があります。
「年間どのくらい走行されますか?」という質問です。
週末中心、長期休暇で遠出というパターンですと、年1万kmがせいぜいだと思います。
つまり、一ヶ月800kmほど。
リッター10kmの車では、80リットル使います。
リッター8kmの車では、100リットル使います。
リッター5kmの車では、160リットル使います。
それぞれ、順にハイオク(ドイツ車はほぼ全てハイオクガソリン指定です)として、1リットル150円で計算しますと、12,000円、15,000円、24,000円です。年間では14万4千円、18万円、28万8千円となります。
燃費がリッター5kmの車と10kmの車の差は、年間14万4千円負担が多いことになります。
中古車は新車に比べて安いため、3年乗車しても、燃費が悪いと言われるリッター5kmの車に乗っても、43万2千円の差でしかありません。これを高いと見るか安いと見るかによっても、判断しても良いと私は考えます。
燃費が悪いと、頻繁に給油が必要ですし航続距離も短くなるため面倒に感じます。何よりエコカーに比べるとドイツ車の大型エンジン搭載車は3倍も4倍もガソリンを消費します。但し、その負担をものともしないほどに、魅力があるのも事実です。
ドイツ製中古車の購入を前提に、お考え頂く材料の1つにして頂けたら幸いです。